本記事では、世界最大級の総合通信会社【T】AT&Tの銘柄分析を行います。
【T】は現在うなぎ丼のポートフォリオには含まれておらず、昨今の株価好調ぶりから監視下に置いている銘柄となります。
アメリカという巨大な土地を持つ市場を通信事業で寡占している企業であることから注目しています。
最大の魅力はAT&Tが誇る高配当・連続増配年数でしょう。
【T】AT&Tの銘柄分析
基本データ
会社名 | AT&T |
---|---|
ティッカー | T |
創業 | 1983年 |
本社所在地 | アメリカ・テキサス州 |
上場市場 | NYSE(ニューヨーク証券取引所) |
従業員数 | 258,000人 |
セクター | 電気通信サービス |
株価 | $39.01 |
1株配当 | $2.08 |
配当利回り | 5.3% |
連続増配年数 | 34年 |
決算期 | 12月末 |
(2019/12/27時点)
事業内容
広大な敷地をもつ米国の総合通信会社最大手です。
【T】の事業内容としては主に4つございます。
・AT&T Communications
・ワーナーメディア
・ラテンアメリカ
・Xandr
AT&T Communications
米国1億人以上に通信サービスを届けています。
高速で安定なインターネット接続・音声通信サービスなど携帯会社特有の事業となります。
また、最近では5Gが米国で始動することからも注目が外せない事業となっています。
ワーナーメディア
エンターテイメントコンテンツを提供する事業です。
映画ではハリーポッターを手掛けたワーナーブラザーズが馴染み深いかと思います。
ほかには衛星テレビ、ターナーでスポーツ、ニュース、キッズプログラミングなどを配信しております。
ラテンアメリカ
おもにメキシコの消費者と企業にモバイルサービスを提供し、南アメリカとカリブ海全域のデジタルエンターテイメントサービスを提供している事業です。
Xandr
Xandrとは、AT&Tのメディア広告および分析部門です。
事業の現状
下図は2018年における部門別の売上比率です。

米国での通信サービスが売り上げの大半を占めております。
現代社会ではもはやスマホ無しで生活できなくなりました。
それだけ我々にとって身近な事業であり、高い売上をあげることができます。
【T】の業績推移
【T】の売上高・営業利益・純利益・営業利益率を見ていきましょう。

売上高は2014年以降、順調に伸びています。
営業利益率も15.8%を平均として高水準を維持。
PL(損益計算書)を見る限り、特にこれといった問題点は無さそうです。
【T】自己資本比率
下図は過去10年の自己資本比率推移になります。

自己資本比率は30%以上を推移。
堅調なBS(バランスシート)です。
【T】キャッシュフロー
下図は過去10年のキャッシュフロー推移になります。

ほぼ横ばいと言ってよいでしょう。
通信設備という寡占的な市場から過去10年にさかのぼっても安定的なキャッシュフローを生み出してきました。
これからもキャッシュフローは維持し続けると思われます。
【T】1株当たり利益(EPS)
過去10年のEPS推移です。

EPSに関してもあまり変動が見られません。
過去10年でのEPS成長率は3.4%。
あまり変動が見られないといっても、微々たる増加傾向はありますが、今後の決算にきたいというところでしょうか。
【T】ROE推移
過去10年のROE推移を見てみましょう。

やはりROEに関してもあまり目立つ傾向は見られません。
【T】はその事業の安定性と高配当が魅力的な銘柄です。
後述の配当金の傾向から分析しましょう。
【T】配当金と配当性向
過去10年間の1株当たりの配当金と配当性向の傾向をまとめました。

34年連続増配といっても配当金の上がり幅は微量と感じます。
とはいえ、5%を上回る高配当水準を維持し続け、且つ増配し続けるのは至難の業。
高配当・増配銘柄は我々長期投資家の懐(ふところ)を潤してくれることでしょう。
近年、配当性向が100%を超えているのが気になりますが(2015年は200%超え)、これは度重なる企業買収によるものだと考えられます。
直近5年【T】vs S&P500 トータルリターン
直近5年の【T】とS&P500の配当再投資込みトータルリターン比較です。
S&P500と比べても、最近では違いが見られなくなりました。
2019年の米国市場が好調である分、S&P500も堅調に伸びてきておりました。
しかし、【T】は通信事業が柱ですので不況にこそ力を発揮する銘柄かと思います。
過去、リーマンショック以降も、増え続ける配当金による再投資こそが投資家のキャッシュを増やしてくれました。
直近のPER・PBR
以下表は直近のPER・PBRになります。
PER | 17.48 |
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PBR | 1.55 |
(2019/12/27時点)
PER・PBR共に、高いとも低いともいえない水準。
2018年PERが10.02倍、2019年予想PERが10.07倍ですので、予想に反して株価が増加傾向なのではないかと考えます。
実際に1年間の株価推移を見てみます。

2019年1月当初から上がりっぱなしで、37%も増加しています。
PERから見るに、【T】への投資は休みつつ、虎視眈々と株価下落の時を待ち構えていても良いかもしれません。
うなぎ丼としては、今の水準でしたら【T】への積み立てを行っていくつもりです。
所感
【T】はやはり、”安定”というひとことに尽きると思います。
売上・営業利益・キャッシュフローなど、どれをとっても変わらず推移していました。
逆に言うならば、それだけ通信事業というのは安定的な事業で、新規参入が難しい寡占市場と言えます。
アメリカならばAT&T・ベライゾンコミュニケーションズの2社、日本でもドコモ・ソフトバンク・auの3社が寡占状態ですからね。
近年、格安simなどのMVNO(仮想移動体通信事業者)が目立ちますが、やはり大手キャリアの通信設備ありきのビジネスモデルですので、おこぼれを貰うハイエナという印象。
安定事業を続けるAT&Tは是非とも1月購入していきたい銘柄だと感じました。
まとめ
以上、【T】AT&Tの事業内容や業績をまとめて銘柄分析を行ってみました。
引き続き銘柄を紹介していけたらなと思います。
ご参考になりますと幸いです。
Where there is a will, there is a way.