飲み会で居酒屋に行くと、きまってタバコのにおいが漂ってきます。
家に帰宅し衣類を嗅いでみると、ヤニ臭さが残っていて嫌になった経験が多々あります。
非喫煙者の私には理解できかねますが、喫煙者にとってはどうやらタバコ×お酒によって至高の時間を味わえるのだそう。
世間では嫌悪感を抱かれる代物「タバコ」ですが、人類にとってのたばこの文化や歴史をひも解くと愛されるゆえんがなんとなく理解できる気がします。
本記事では、タバコ銘柄を愛してやまない投資家なら教養として是非とも知っておきたいタバコの歴史について紹介していきたいと思います。
タバコの歴史
人とタバコの出会い
植物のタバコの原産地は南米アンデス高地とみられています。

しかし、人類がいつからタバコの魅力を知ったのかはいまだ明らかにされていません。
7世紀ごろのマヤ文明や数多くの部族がタバコの神話を伝えており、「タバコは争いを鎮めて平和をもたらし、神と人間をつなぐ聖なる植物」とみなされていたことが共通しています。
私の周りでも、確かにイライラしている人がタバコ休憩に行った後は顔色が変わったように穏やかな表情をしています。
集中力が増したり、作業効率が上がるのは昔も今も変わらないのでしょう。
昔のタバコ
15世紀の記録によると、「いくつかの枯れ草を、1枚の枯れた葉っぱでくるんだもの」に火をつけて吸うとあり、今でいう葉巻を嗜んでいたそうです。

他にも北米大陸ではパイプ型の煙管(きせる)、ニコチンの吸収を助ける石灰とともに葉を噛む噛みタバコ、粉末にした葉を鼻から吸い込む嗅ぎタバコなどの記録も残っています。
タバコが世界へ広がるまで
歴史的にはアメリカ大陸の発見者コロンブスがヨーロッパへ持ち帰ったのがきっかけだと言われています。
彼が持ち帰ったタバコの種はさっそくスペイン各地で栽培されました。
その効果を研究したセリビアの医師ニコラス・デ・モナルデスはこれを万能薬と認め、一気に広まることになります。
日本とタバコ
タバコが日本に入ってきたのは戦国期。
フランシスコ・ザビエルの従者が口から煙を吐き出す姿に人々が感嘆したと言われています。
その後、織田信長の南蛮趣味もあり、煙管を吹かす習慣が急速に広まりました。

江戸時代を通じて庶民にも浸透していき、様々な喫煙具が発達するなど文化が根付いてきました。

最近でも水タバコ(シーシャ)のような文化も若者の中で発展してきてます。
私の知人でも、絶対タバコを吸わないような女の子が突然シーシャにハマって通い詰めていたりしました。
タバコ弾圧
タバコはいつでも迎え入れられたわけではなく、タバコを弾圧しようという動きも歴史上ありました。
初めて大規模にタバコを弾圧したのはイギリスのジェームズ1世。
彼はイングランド王に即位すると「未開で神を信じない卑しい異教徒の、野蛮で不潔な風習」と非難し、タバコ弾圧キャンペーンを行いました。
その他にも、タバコの関税を40倍以上に上げる政策をとりました。
しかし、それは逆にタバコの味を覚えた市民による密輸入を促進することになり、タバコ弾圧は失敗に終わります。
結局、人は禁止されると手に入れたくなる生き物だということはいつの時代も変わらないということです。
その後、現在のようなタバコ抑制に名を借りて税金を取り立てることは万国共通のやり方になりました。
日本でも法外なタバコ税(63.1%)が課せられています。
タバコの税収は1兆円を優に超えており、富の源泉たるゆえんです。
ニコチンとは
歴史上、人を魅了し続けてきたタバコですがその主成分ニコチンとは一体何なのでしょうか。
ひとことで言い表すと、タバコという植物が虫害を防ぐために作る天然の農薬に当たります。
実際のところ、タバコを浸した水を植物に噴霧するとアブラムシなどの害虫を駆除することができます。
アセチルコリンという神経伝達物質
人間が考えたり、体を動かしたりする際の脳の神経細胞同士の連絡役として機能します。
これと同様の役割を果たすのがニコチンであり、ニコチンを摂取すると神経の動きが活発化し深い思索を助けることに繋がります。
ニコチンを摂取し続けていると、アセチルコリンの生産力が徐々に落ちてしまい、タバコを吸っていないと思考力が低下するようになってしまいます。
また、ニコチンはドーパミンの放出を促し、人間にとってこれが快感であると学習されます。
タバコを急にやめるとイライラを誘発させるのはこれが原因だったようですね。
タバコがもたらした功績
タバコの害のある側面の一方で、これまで文化の発展に貢献してきたこともあります。
作曲家バッハ
彼はパイプの愛好家であり、「ある喫煙家の教訓的思索」という曲を作曲しその効能を讃えています。
アインシュタイン
「パイプを吹かすことは、人生の諸問題において冷静で客観的な判断を下すのに役立つ」と述べています。
他にも近代の作家・芸術家などでは愛煙家でないものをあげた方が早いと言わんばかりで、ニコチンが天才たちの思索を助けたといっても過言ではないでしょう。
まとめ
これまで人を惹きつけてきたタバコの歴史について綴ってきました。
私自身の見解としてはタバコは嫌いです。
歩きタバコは手をぷらぷらさせていて危険だなあと思ったことは何度もありますし、近くで吸われると不快に感じ副流煙を吸わないように息を止めます。
それと同時に喫煙者の無神経さに腹が立ちます。
一方でタバコは税金をいくら上げても買い手が見つかり非常に儲かるビジネスです。
投資家としては「タバコを買うくらいならタバコ株を買え」を座右の銘として刻み込んでいく次第でございます。
Where there is a will, there is a way.
参考文献:「炭素文明論」佐藤健太郎 新潮社