本記事では、世界中で愛され続ける飲料メーカー【KO】コカ・コーラの銘柄分析を行います。
実はコカ・コーラ社は、コーラ以外にも綾鷹・いろはす・スプライトなど様々な商品を展開していることをご存じでしょうか。
そんな世界中で飲料を販売するコカ・コーラが現在どのような財務状況であり、我々投資家に利益をもたらしてくれるのかどうかについて迫りたいと思います。
【KO】の銘柄分析
基礎データ
会社名 | コカ・コーラ(Coca-Cola) |
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ティッカー | KO |
創業 | 1886年 |
本社所在地 | アメリカ・ジョージア州 |
上場市場 | NYSE(ニューヨーク証券取引所) |
従業員数 | 62,600人 |
セクター | 生活必需品 |
株価 | $56.72 |
1株配当 | $1.60 |
配当利回り | 2.97% |
連続増配年数 | 57年 |
決算期 | 12月末 |
(2020/1/17時点)
事業内容
200を超える国と地域で500を超えるブランドを提供する飲料メーカーです。
それでは実際に地域別の売上比率を見ていきましょう。
地域別売上比率
下図は2018年の地域別売上高になります。

売上の12%を担うボトリングインベストメンツグループとは、コカ・コーラのフランチャイズ売上になります。
清涼飲料(原液)を顧客(食料品店、レストラン、路上商店、コンビニエンス ストア、映画館、遊園地など)に販売します。
グラフを見ると北アメリカの売上が多いですが、それでもほかの地域も売れています。
世界中で愛されている何よりの証拠だと思います。
様々なブランド
冒頭でも申し上げましたが、コカ・コーラ、綾鷹、いろはすなど様々なブランドが連なっています。

一度は目にしたことのあるブランドばかりかと思います。
エースのコカ・コーラだけでなく、これだけのポートフォリオを有しているので優良銘柄と称されるわけです。
【KO】の業績推移
【KO】の売上高・営業利益・純利益・営業利益率を見ていきましょう。

注目すべきは営業利益率。
例年20%を超える営業利益率を叩き出しています。
同業他社のペプシコ【PEP】が15%ほどであるので、頭一つ抜けています。
営業利益率は2016年まで停滞気味の成績でしたが、近年盛り返してきていることを考慮すれば投資家の期待は上がることでしょう。
【KO】自己資本比率
下図は過去10年の自己資本比率推移になります。

はっきりとわかる右肩下がりのグラフです。
これは毎年の自社株買いがBSに影響していると考えます。
実際に、発行済み株式数の推移を見てみますと

減少傾向になっています。
自己資本比率と発行済み株式数が対応していることがわかります。
自社株買いは株主にとって株価が上がるという点で有益ですので、キャピタルゲイン重視の投資家にとっては優良銘柄と言えます。
【KO】キャッシュフロー
下図は過去10年のキャッシュフロー推移になります。

ほぼ横ばいといった印象。
売上の減少に比べて踏ん張っている気がしますが、引き続き監視していきたい所存です。
【KO】1株当たり利益(EPS)
過去10年のEPS推移です。

10年の平均は$1.81でした。
2017年は大幅に下落しましたが、2018年は盛り返し気味。
2019年以降のEPSが増加していくのかどうか見ていきたいところです。
【KO】ROE推移
過去10年のROE推移を見てみましょう。

特段これといった傾向は見られませんが、25%以上という高い水準を維持し続けています。
生活必需品セクターの中でも一目置かれる存在になりうるゆえんだと感じます。
【KO】配当金と配当性向
過去10年間の1株当たりの配当金と配当性向の傾向をまとめました。

やはり57年連続増配というだけあって、配当金はきれいな右肩上がりのグラフ。
先述の定期的な自社株買い+増配傾向はかなり好材料です。
ただ、2017年以降配当性向が100%を大幅に上回っています。
【KO】の配当狙いの投資家にとっては唯一の懸念点ではあります。
直近5年【KO】vs S&P500 トータルリターン
直近5年の【KO】とS&P500の配当再投資込みトータルリターン比較です。

S&P500と比較すると、傾向はほぼ同じという結論になります。
増配しながらの堅調な株価上昇という点は【KO】もS&P500も共通です。
(同じならばS&P500に投資した方が安心じゃないかと感じますが、、)
2009年・1999年以降と10年・20年にさかのぼってみても、S&P500と大差ないです。
直近のPER・PBR
以下表は直近のPER・PBRになります。
PER | 30.12 |
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PBR | 12.99 |
(2020/01/17時点)
【KO】にとってはこの値が平常運転といえます。
2018.12時点ではPERが31.57でしたのでこのまま推移していくでしょう。
所感
【KO】は、S&P500をアウトパフォームすることはあまりないのではないかという印象を抱きました。
というか、S&P500とほぼ同じリターンだと言えます。
ただ、【KO】の良い点を挙げるとすれば、相場低迷期に強いということです。
やはりコーラ・綾鷹など飲料は、景気に左右されずに消費者は購入しますので安定な売上げが得られます。
また、増配がストップしなければ相場低迷期にこそ力を発揮し、ひとたび上昇に転じたときは一気に資産が増えると考えられます。
私としては、圧倒的ブランド力を誇るコカ・コーラの事業内容や、いまだ衰えを知らない連続増配年数は魅力的に思えますが、購入はもう少し様子見をしようと思います。
まとめ
以上、【KO】コカ・コーラの事業内容や業績をまとめて銘柄分析を行ってみました。
引き続き銘柄を紹介していけたらなと思います。
ご参考になりますと幸いです。
Where there is a will, there is a way.