上場企業に勤めていらっしゃる多くの方は社員持ち株制度を利用しないかと紹介されますよね。
「社員持ち株制度ってこんなにお得なんだよ!」「初めての投資のスタートとしてやってみない?」なんていう言葉を真に受けてついつい入ってしまう方がいるかもしれません。
しかしよくよく考えると社員持ち株制度は
明らかにメリットよりもデメリットの方がデカいことがわかります。
本記事では、絶対に社員持ち株制度を利用すべきでない理由について解説していきます。
そもそも社員持ち株制度って?
従業員の給与から毎月一定額差し引き、集めた資金で自社株を購入していく制度です。
一応、加入は任意となっております。
ではまず、メリットから挙げていきましょう。
社員持ち株制度のメリット
・給与天引きで少額から始められて簡単
・奨励金が出るからお得
・仕事を頑張れば頑張るほど株価も上がって、モチベーションも上がる
ほとんどメリットを感じられませんが、しかし敢えて挙げるとしたら上記の3つでしょう。
頑張れば頑張るほど株価が上がる。社員の帰属意識が高まってむしろ経営者側も得している感が否めません。
社員持ち株制度のデメリット
・株式投資で一番大事な流動性が損なわれる
・給料を貰う会社と資産を持つ会社が同じなら、何のリスク分散にもならない(むしろハイリスク)
・万が一重要な社内機密情報を知り得たとしても、株価を売却することができない
株式投資で一番大事な流動性が損なわれる
社員持ち株制度に加入して株式を保有していても、だいたいすぐに現金化できません。
早くて1週間はかかるでしょう。
その理由はインサイダー取引に抵触していないかのチェックなどがあるからです。
このように流動性が損なわれることで悪材料が市場に出たとしても、すぐ売りたくても売れないといった問題が生じてしまいます。
給料を貰う会社と資産を持つ会社が同じなら、何のリスク分散にもならない(むしろハイリスク)
例えば、会社の業績が傾いた瞬間、ボーナスは減額します。しかしこれだけではなく、株価も下がることでダブルパンチを食らうことになります。
投資には「卵はひとつの籠に盛るな」という名言がありますが、まさにこのことで、リスクを分散させないといけません。(自社の業績によっぽど自身があるなら別ですが、、)
万が一重要な社内機密情報を知り得たとしても、株価を売却・購入することができない
社員として働くからには、知りたくなくても内部事情を知ってしまいます。
「実は材料の耐久値を誤魔化していた」など悪い情報を知ってしまったとしても、売却することができません。インサイダー取引に繋がるからです。
まとめ:自社株を買うくらいなら、貯金しましょう。
以上のことから、社員持ち株制度は社員にはメリットがほぼほぼなくて、デメリットしか存在しません。
また、この制度は経営者側のメリットが大きすぎます。
・従業員の帰属意識を高めることができる。
・手放さない(簡単に手放せない)株主を確保することができる。
このように経営者に媚びる犬になるのが嫌な人は、社員持ち株制度を利用することを絶対にやめましょう。
貯金でもして海外旅行など趣味に充てた方がよっぽど有意義なお金の使い道になります。
参考になりましたら幸いです。
Where there is a will, there is a way.