先日、オイルメジャーであるロイヤル・ダッチ・シェル【RDS】とエクソン・モービル【XOM】の配当額が発表されました。
減配のロイヤル・ダッチ・シェル
昨年2019年度第1四半期の配当額$0.47から$0.16へ減配しました。実に66%もの減配となっています。
取締役会による声明は以下の通り。
株主還元はロイヤル・ダッチ・シェルの財務フレームワークの基本的な部分です。しかし、長期にわたる経済の不確実性、より高いボラティリティおよび不確実な石油需要見通しのリスクを考えると、取締役会は、現在の株主分布の水準を維持することは賢明ではないと考えています。
第二次世界大戦以降、過去80年で一度も減配しなかったロイヤル・ダッチ・シェルが減配とは相当深刻な状況です。
まさか20代にしてこのような歴史的状況を目の当たりにできるとは思いませんでした。
一方ライバルのエクソン・モービルです。
配当維持のエクソン・モービル
2020年第2四半期の配当は$0.87です。昨年(2019年第2四半期)の配当額も$0.87ですので、配当維持となります。
同じオイルメジャーでも減配しなかっただけ御の字ですかね。
しかし、エクソン・モービル第2四半期で増配していないのは2007年以来となります。
年末までに配当金を引き上げることができれば、38年連続増配となり配当貴族の可能性が残っていることになります。
私もエクソン・モービルを保有しておりますが、正直減配しなくてホッとしています。
石油業界に立ち込める暗雲
以上のことから、長年増配し高配当銘柄として親しまれてきた石油業界はいま非常に苦しい状況であることが伺えます。
COVID-19(コロナ)の社会的影響のペースと規模、およびその結果としてのマクロ経済と商品価格の見通しの悪化は前例のないものであり、悪影響は不明確なままであり、石油価格が低く安定しない状況はおそらく2020年以降も続くと予想されます。
さらにWTI原油先物価格は株価とも密接な相関がみられます。今後エクソン・モービルを始めとするオイルメジャーの株価がどうなっていくかも先行きが見えない状況です。

やはり、高配当という魅力的な面の裏にはリスクが付きまとうもの。
石油だけでなく、たばこにも訴訟リスクがありますからね。
今回の配当額発表を受けて、このままロイヤル・ダッチ・シェル、エクソン・モービルに投資を続けるのもよし、配当金目当てで購入していたのならいっそ売ってしまうのも手です。
いずれにせよ、株式市場から退場しないように長く付き合っていきたいものです。
Where there is a will, there is a way.